2018年2月24日土曜日

【ピンクシャツデー2018】多様性が認められる場所

2018年のピンクシャツデーは2月28日(水)です!
いじめのない社会を目指します。



2007 年カナダ、
ピンクのシャツを着て登校した少年がいじめられました。
それを見た2人の学生が50枚のピンクシャツを友人・知人に配り、
翌日登校をします。
学校では呼びかけに賛同した多くの生徒が
ピンクのシャツを着て登校。
学校中がピンク色に染まり、
いじめが自然となくなったそうです。


 ピンクシャツデーは、様々な国籍、文化がモザイク画のように混ざり合い、また、セクシャルマイノリティへの理解が深く、自然と多様性を受容するカナダらしいエピソードをもとにしています。


 富士山YMCAをはじめ、全国のYMCAで行われているキャンプの中でも、性格が違い、得手不得手もバラバラ、好きなことや嫌いなことも異なる同年代の友人たちと、多様性を認め、共同生活をしています。
 逆に、24時間文字通り寝食を共にし、時にはケンカや言い合いなどの葛藤が起こり、それを子どもたち自身の力で解決していかなければならない環境の中では、お互いの多様性を認めないと共同生活が円滑にはできません。
 私たち指導者も、キャンプの中での様々な葛藤や挑戦の中で、そのようなねらいをもって、子どもたちと生活を共にしています。


 さて、日常生活において子どもたちが置かれている状況を見ると、必ずしも多様性が認められ、子どもたちが心地よく生活ができていないのではと感じることがあります。
 多くの場合に苦しめられているのが、文部科学省の調査で6%を超えると言われる「発達障がい」を抱える子どもたちです。

 確かに、学校などの日常生活では、社会に出る訓練として、「人が話しているときにはしゃべらない」、「授業中は終業チャイムが鳴るまで座っている」、「朝礼のときにはまっすぐ並んでなければならない」など守らなければならない“決まり”が多くあります。


 しかし、キャンプで多くの子どもたちと生活していると、キャンプという非日常では、その子の「苦手な部分」も「個性」・「多様性」として受け入れなければならないと感じます。
 私たち指導者は(その中には教員を目指す学生もいます)、「“決まり”を守る」ことを目的とするのではなく、「その子の個性・多様性を認める」ことを一番に考え、様々な個性をもつ子どもたちと誠心誠意向き合うことで、どんな些細な成長も認め、そしてそのことを褒めることができるようになります。
 子どもたちも、そのような経験を通して、自尊心を高め、他者をも認められるようになっていくことができます。
 指導者の間でも様々な価値観がありますが、例えばキャンプの3日間くらいは、「リーダー(指導者)が話しているときに、我慢できなくなったら別の場所に行ってもいいじゃないか」と、かえって「昨日よりも長く座っていられたね」と褒めなければならないのではと思っています。


 YMCAの中だけでは、キャンプの中だけでは、どんな子どもたちの個性も認められ、全ての子どもたちが過ごしやすい空間と時間を作っていきたいと思います。
 きっとそれが子どもたちも、社会も、世界も「みつかる。つながる。よくなっていく。」ことになると信じています。

 春休みもみんなでキャンプに行こう!(シーズンキャンプ特集ページ

富士山YMCAグローバル・エコ・ヴィレッジ
金井 淳(あびすけ)